人材採用
魅力や求める人物像だけでなく、人生観も伝える採用メッセージ
不安な気持ちの就活生に、ただ会社のことを伝えるだけでいいのか
社会人になるときの期待と不安と歓喜と恐怖とを覚えています。僕の場合は、つい2年前のことでした。「大学生」という無限に続くかと思われたモラトリアムが終わりを迎え、学生の時分以上に自分で自分に責任を持たなくてはいけない社会人生活へと突入しました。
未来の定年が何歳になっているかはわかりませんが、場合によっては定年という考え方もなくなり、一生働くかもしれませんし、健康寿命も伸びますし、年金だけで暮らせるほどに世の中は甘くはないでしょうし、つまり社会人とは長い長い「働く」期間を指します。
その期間をどう生きればいいのか。どう働けばいいのか。絶対の正解がない時代だからこそ、学生は不安です。学校卒業後をどう過ごせばいいのか、うまく検討がつきません。もちろん、未知だからこそ不安であると同時に楽しみでもあるのですが。
社会人生活を控えた就活生にとって、企業は就職先の選択肢であるだけではなく、社会人とはどういうものかをうかがい知る材料でもあります。企業が紹介するキャリアプランや求める人物像を見て、または実際に人事やリクルーターや面接官などの先輩社員と触れ合うことで、社会人のいくつかの典型を知り、自分はどう生き抜こうかと思いを巡らせるわけです。
アルバイトや家族のことを除けば、就職活動とは学生が本格的に企業人と触れ合う機会です。だから会社は責任重大です。学生が社会を間違って理解してしまうような伝え方をしてはいけません。だから表現には慎重であるべきです。
また慎重を期するという消極的な向き合い方だけではなく、積極的に伝えていく姿勢も重要ではないでしょうか。採用メッセージで人生観や仕事観を伝えるくらいでもいい。自社が学生に求めることだけを伝えるのではなく、より広く人生の先輩としてアドバイスする。それくらいの熱があってもいいと思うのです。むしろその方が、学生に対してより真摯であるといえます。
人生は、挑戦しなきゃもったいない
お菓子など加工食品の卸売業を営む「株式会社タジマヤ」さん。アカウントプロデュースを務めるサンカクワークスからの紹介で、弊社が採用サイト、パンフレット、ムービーの企画制作を担当しました。
サイト、パンフレット、ムービーで統一して使用したメッセージが
Challenge & Challenge
挑戦繁盛な人生を
になります。
パンフレットでは表紙に。
採用サイトでもトップページに使用しました。挑戦心のある学生を採用したいという社長以下の思いを受けてのコピーですが、ただ「挑戦心を持ってほしい」というのではなく、「挑戦繁盛な人生を」という表現に落とし込み、単なる求める人物像にとどまらず、学生の人生観に影響を与えるものをめざしました。その意図は、特にサイトトップページのイントロ部分にあらわれています。
人生は一度きり。失敗を恐れずに、どんどん挑戦しなきゃもったいない。その言葉を胸に、僕もハッテンボールの先輩も、そしてタジマヤの社員の方々も過ごしています。挑戦の歩みを止めない、そんな人生を僕は望みます。
パンフレットでも、表紙をめくって冒頭のページで同じ呼びかけをしています。
また、パンフレットの場合、「Challenge & Challenge」という見慣れぬ表現を用いた理由が、表紙をめくることで初めてわかるようになっています。なるほどCash & Carryとかけていたのか。このあたり、製作者が意図したとおりの順番で情報を伝えられるのが、紙媒体の利点です。
この点については、以前の記事で解説しました。下のリンクからぜひどうぞ。