人材採用
Webデザイナーになりたい人は後を絶たないのに、どうして採用できないのか。〜自戒を込めて〜
2年近く、恋い焦がれている人がいる。それは、Webデザイナー。ハッテンボールはかれこれWebデザイナーを2年近く、募集し続けているんです。でも、いまだにピン!とくる方と出会えていません。
どうしたら出会えるのかしら…と悩んでいた矢先、「Webデザイナーを育成する社会人スクールでキャリアアドバイザーをしませんか?」というお誘いをもらいました。
もともと人材育成やキャリア形成に興味があったこともありますし、ナイスタイミング!と言わんばかりのお話。副業という形で、Webデザイナーを育成する社会人スクールのキャリアアドバイザーを始めることにしました。
この記事では、キャリアアドバイザーとしてWebデザイナーの転職市場を観察した経験を通して、「どうしたら中小企業がWebデザイナーを採用できるのか?」について考えてみたいと思います。
Webデザイナーはごまんといる。ただし、そのほとんどが…。
スクールに在籍して1年半が経ち、わかったことがあります。Webデザイナーはとても人気の高い職業だということです。半年間の授業料は約50万円にも関わらず、「Webデザイナーになりたい」と入学する方が後を絶ちません。みなさん、新型コロナウイルスの影響から、「未経験でも手に職が就けられる」、「テレワークできる」といった点に惹かれたようです。
スクールの入学生は後を絶たないのに、私たちは一向にWebデザイナーを採用できていない。うちだけじゃありません。ハッテンボールのお客様からも、「採用できない」という声を聞きます。理由はさまざまですが、個人的には、「経験者が圧倒的に少なく、転職市場に未経験者が溢れているから」じゃないかと推測しています。
そもそも、Webデザイナーは、Webサイトの技術発展とともに進化している職業ですよね。いわゆる自由度高くデザインできるようになったのは、CSSが誕生した2000年代に入ってから。それまでは、Webサイトを構築するのはデザイナーではなく、エンジニアでした。
2021年時点のWebデザイナーは、「デザインとコーディング両方できる人」みたいに定義されていますが、それはここ10数年のこと。いまだに、デザインとコーディングを分業している会社も少なくないですし。両方できる10年選手のWebデザイナーなんて、そもそもいないんだと思います。
フリーランスを目指す方が多いのもあります。デザインとコーディング両方できるWebデザイナーさんは、全てを一人で完結できますから、フリーランスとして活躍しやすい。スクールの生徒さんとお話ししていても、最初は正社員として就職したいけれど、ゆくゆくは業務委託契約や、外注として案件ベースでお付き合いしたい、とおっしゃる方が多く、会社や組織に縛られない働き方への憧れが強いと感じます。
まとめると、Webデザイナーはごまんといるけど、そのほとんどが未経験者か、経験の浅い方たち。(なんだか上から目線で恐縮ですが…)豊富な経験者と出会える確率は、そもそも超低い!のであります。
中小企業の皆さんへ。経験値の浅い人材を育てる選択肢を。
自戒を込めてお伝えしますが、中小企業がWebデザイナーを採用する場合、豊富な経験者の採用は極めて難しいのかもしれません。もちろん、私たちだって豊富な経験者に仲間になってもらいたい!でも、経験者は、全国で引く手数多な状態。誰もが知る大企業の「ネームバリュー」や「高待遇」が用意できなければ、中小企業で働くメリットを感じてはもらえないようです。
だから、「経験の浅い方を採用し、育成していくこと」を選択肢に入れる必要があると思っています。
たとえば、応募条件に「3年〜4年の実務経験」を加えると、それだけで母数が大幅に減ってしまう。現にハッテンボールも、即戦力を求めているため、未経験の方の採用は避けてきました。でも、それでは集まってくれないんですよね。
ポートフォリオや実績から、2、3年相当のスキルが認められれば、まずは会ってみる、というのも大切なのではないでしょうか。
未経験者も、いろいろ。
スクールで生徒さんとお話ししていると、バラエティに富んだキャリアに驚かされます。保育士、調理師、保険の営業、ウェディングプランナー、アパレルの接客、主婦…。まったくの異業種からキャリアチェンジを目指す方もたくさんいらっしゃって、チャレンジャーだなぁと感心します。
一方で、Webに限らず「ものづくり」や「ディレクション」に関わってきたという方もいます。未経験といっても、いろいろなんですよね。
正直、ハッテンボールが「まったくの異業種からWebデザイナーに転身したばかりの方を採用して育てられるか?」というと、自信がありません。夢を持ってキャリアチェンジを目指す方を応援したい気持ちは山々ですが、それだけの企業体力は持ち合わせてないなぁと。とはいえ、経験者を採用するのは難しい。バラエティに富んだ「未経験者」のなかでも可能性のある人たちはいないのかなぁ?と探したところ、見つけました!
3つの畑の出身者を探せ!
「Webデザイナーとしての経験が浅くても、正社員として入社してもらって、一緒にお仕事できるかもしれない!」と感じたのは、<3つの畑の出身者>でした。
A・・・デザイン畑 出身
B・・・ディレクション畑 出身
C・・・エンジニアリング畑 出身
それぞれの特長と、育成方法について考えてみました。ハッテンボールも、3つの畑出身者に的を絞って採用活動を行ったら、出会えるんじゃないか!がんばるぞ!
A:デザイン畑 出身
(特長)
たとえば、「グラフィックデザイナーとして活躍していた方」が、Webデザイナーへの転身を目指すパターンです。「美大やデザインの専門学校を卒業した方」も当てはまるかもしれません。すでに、デザインの基礎知識や考え方、表現力を習得しているので、「コーディング技術」さえプラスで強化できれば、Webデザイナーとして活躍してもらえるのでは!
(育成方法)
ハッテンボールにはエンジニアがいませんが、たとえば、親しくしている外部のエンジニアさんに社員教育を外注するなど、やり方はあるはず!実際に、ハッテンボールでは、デジタル周りの知識や技術を強化しようと、外部のエンジニアさんに社員教育の講師をお願いしたことがありますよー!
B:ディレクション畑 出身
(特長)
「Webディレクターとして活躍していた方」、「事業会社で、Webサイトやオンラインショップの運営を担当していた方」、「営業企画や人事担当として、外部向けにプレゼン資料を企画してきた方」などが、Bに当てはまります。「誰に、何を、どう伝えるべきか」という視点を持って、コミュニケーションを設計してきた方なので、WebサイトやWebサービスの企画や設計にハマりやすいのではないでしょうか。
(育成方法)
ディレクター畑出身の方は、言語化、ビジュアル化、グラフ化と、なにかしら表現をしてきた方だと思います。とはいえ、「デザイン技術」と「コーディング技術」の実力に関しては、未知数の方が多い印象…。最初は、先輩デザイナー、先輩エンジニアのサポートが欠かせないと思います。もし、社内にデザイナー、エンジニアがいない場合は、やはり外部の人材にサポートを外注する必要がありそうです。(育成のアウトソーシングだっ!)
C:エンジニアリング畑 出身
(特長)
「自動車メーカーでエンジニアとして働いています」、「特定技術者派遣の会社で、バックエンドエンジニアをしています」といったエンジニアの方も、相性が良いのではないかと思っています。扱う言語は違えど、ものづくりの工程やチームでの協業など、働き方や成長の仕方が似ていると思います。バックエンドが一般的にWebサイトの目につかない裏側部分を担当するエンジニアだとすると、フロントエンドは、Webサイト視覚的な部分を担当するエンジニアのこと。スクールでは、「裏側じゃなくて、目に見える領域をやってみたい!」という理由で転身を考えるエンジニアの方に何人かお会いしました。
(育成方法)
憶測ですが、エンジニア畑出身の方は、「デザイン領域」が苦手な方が多いようなので、「グラフィックデザイナー」とチームを組むことで、Webデザイナーとしての技術を育むことができるのではないかと考えています。
仲間になってほしいけれど…業務委託も、いいよね。
さて、3つの畑の経験者に的を絞って、採用活動を行ったとて、正社員として働きたいと思ってくれる方と出会えるかは、わかりません。(やってみないことにはね!)
最悪、業務委託契約として、チームに入ってもらう、という選択肢も残しておきたいと思っています。組織に縛られず、いろんなお仕事に挑戦したい!という気持ちはわからなくないですからね・・・!
採用は恋愛といっしょ、とよく言われますが。いいなぁ、と思える方と出会えたら、チャンスを逃しちゃならないと思うんです。つなぎとめる、っていう考え方は好きじゃないですが、お互いが気持ちよくチームを組めて、お客様が満足のいくクリエイティブを提案できるなら、正社員にこだわらなくてもって今は思っています。
もしも、ハッテンボールがWebデザイナーさんと出会えた暁には、また、こちらのハッテンMixでご紹介しますね。
そして、もしも、この記事を読んでくださったWebデザイナーさんで、「ハッテンボールに興味があるよー!」なんて方はもう、ぜひぜひ、お問い合わせフォームから直接メッセージくださいませ〜。大歓迎ですー!